インタビュー

45人中40人が
「来年度も扶桑事業所で
働いていい」
2023年度、扶桑事業所では働いていただいた方の89%が来年度も働きたい
という高リピート率を達成。
現場責任者と採用担当者に、それぞれの取り組みについて話を聞きました!
現場サイドでの取り組み

リピート率89%というのは
とても高い数字です。
採用への想いと取り組みを
教えてください。

採用への早めの取り組み
今年はお客さまからも作業量が多くなると聞いていたので、2022年度の反省から採用2課と連携し、例年より3ヶ月ほど早く採用活動を進めてきました。
去年は25人ほどのメンバーで作業をしており、残業が1日4〜6時間になったり、11月は3回の土曜日出勤があったりと多残業になりました。何とかお客さまの納期には間に合わせてきましたが、従業員には申し訳ないと思っています。
もの作りの工程なので1つ間違いが起きるとその影響は大きいんですが、人間ですから残業の疲れがあるとやはり集中力に不安が出てきます。しかし当事業所は閑散期と繁忙期の差が激しいので、人材の確保が難しいというのが問題です。毎年繁忙期だけ雇うということの繰り返しになっており、かつ扱う物によっては作業手順が違うこともあるので、なかなか習熟した人材の確保ができません。
繁忙期に対応する勤務体制と
採用人材の見直し
まずは少しでも知識がある人材が欲しいので、去年の繁忙期に契約満了まで働かれた方に声をかけ、5名の方に再度入社していただきました。その5名の方には、時給が変わることもご理解いただいた上で、閑散期には近隣の別事業所に移り、キムラユニティーに残っていただいております。
それから勤務体制を見直し、今年は1直と残業に加えて1.5直を開始し、1.5直のメンバーに50名、39人工分を構えることにし、1.5直は10月、11月という繁忙期の中でも特に忙しくなる時期に実施しました。対応する職制は4人です。当初は2人ずつに分かれ、1か月単位で1直と1.5直を交替しようと考えていましたが、従業員からすると、途中でリーダーが変わるとコミュニケーションが取りにくくなるので、1.5直の職制には無理を言って2か月連続で夜の時間を担当してもらいました。それにより職制にとっても1直、1.5直で責任が明確になったというのも、リピート率につながった1つだと思います。
1直は8時半から17時半、1.5直は17時半から23時半です。1.5直の求人に対して時間いっぱい働ける方は少なく、18時からや19時からなら働けるという方や、21時からという方もいましたので、そういった方々も受け入れました。
タイヤを取り扱う作業で基本的には重い物を持つので、当初は男性ばかりの募集をしていましたが、工程によっては女性も可能な場所があるので、女性も受け入れるようになり、年齢や国籍も関係なくしました。適材適所の配置で、女性はタイヤを持たなくてもいい作業を、男性は年齢ではなく力を見極め、その方の力で可能な工程に入っていただきました。
コミュニケーションの強化
出社時間は人それぞれになり、去年は各自出社してすぐに作業に入っていただいていましたが、今年はそれぞれの出社に合わせてリーダーから声掛けをし、ストレッチ後に連絡事項や当日の注意点を共有し、作業に入っていただくといったコミュニケーションを強化しました。
夜の時間帯には主婦、Wワーク、学生の方々が多く、1.5直のリーダーの1人はおとなしめで優しい雰囲気、こちらの宮島さんは兄貴肌で特に学生に慕われやすいという2人なので、スムーズなコミュニケーションが取れました。2人とも締めるところは締めてくれるので、いい人選ができたのも良かったと思います。
また、職制にはいつも言いますが、「短期雇用の人でもここで働いていただくのであれば同じチームメンバーであり仲間なので、おざなりにせずに、怒る時は怒る、感謝する時は感謝し、皆と平等に接するように」と伝えています。

メリハリのあるコミュニケーション
責任を持って取り組まないといけない中でメリハリを付けて接し、新しく来た方への導入教育の中でも「いけない事に対してはしっかり注意します」と最初から伝えていました。怒るのが目的ではなく、いい事や上手くできている事は褒め、安全、品質を大事にしていただきたいという気持ちです。タイヤに関する大切さ、命にかかわるということは特に真剣に伝えていたのでそれが伝わり、従業員の皆さんにも責任感を持って継続していただけたと思います。以前ミスを出してしまったという悔しさがあるので、今年はより安全、品質に注意していました。
あとは今年は特に学生さんが多く、自分も車やバイクが好きなので、共通する趣味や話題を交えてコミュニケーションをよく取れたことも良かったのではないかと思います。

特に苦労したことはありますか?

人員配置と品質への対策
夜の時間の皆さんは出勤時間、出勤日もバラバラで、作業が可能な工程も限られているので、リーダーが毎日パズルのように従業員配置を組み合わせるという苦労がありました。
今年度は「止める・呼ぶ・待つ」を徹底したので、その対応もありました。少しでも異常を感じたらまず止める、分からない事があったら別の従業員に聞くのではなく、必ず職制に聞いてくださいと意識付けをしました。職制は忙しそうで話しかけづらいと感じる方もいるので、今年から職制呼び出しボタンを設置し、何かあればボタンを押して職制が来るまで待つということを徹底してもらいました。時間によっては呼び出しボタンが鳴りっぱなしになる時もあり大変ですが、従業員には正しく活用していただきました。

安全と品質を第一に考える
呼び出しボタンは、小さな事でも押すように指導していました。
製品の製造工程では正しい物だけが流れるのではないので「1,000本のタイヤが流れる内の1本の異常を見つけるのもここでの仕事です」と教育し、必ず勝手に判断せず、少しでも違和感があればまず呼び出しボタンを押してもらっています。
例えばエアー漏れのチェックでは、漏れているかどうか分からないくらいの違和感でも押してもらうようにしていました。製造現場の一部なので本来はラインが止まらないほうがいいですが、対応が大変になったとしても、ラインを止めないのが目的ではなく、安全と品質が第一です。
採用サイドでの取り組み

採用2課として、
扶桑事業所に対して
どのような想いで
どんな対策を取りましたか?
現場が困らず、
お客さまの納期を守るために
3月の段階で小川課長から採用を先行していこうと話をいただき、現場が困らないようにという思いで、採用計画に遅れが無いように採用2課全体で話をしてきました。
まずは現場での作業が滞らないよう、そして要員不足による多残業にならないように、短期間で人を厚く構え、お客さまの納期に間に合わせられるようにという思いでした。
求職者にはどのような
アピールをして
採用を進めましたか?
待遇よりも職場の雰囲気を伝える
面接時に、まずは単純作業をきっちりやっていただきたいと伝えました。それと現場には必ずリーダーが配置されているので分からない事は聞けばいいといった、賃金だけではなく従業員への寄り添いの面の話をしてきました。
新人の作業スピードを責めるようなことはなく、キツい工程はありますが皆が協力してくれるということを伝え、見学に来てもらった時にはリーダーと一緒にその事を説明させていただきました。見学時には実際に現物を持って、事前体験もしていただいています。
今回、入社した方が
ぜんぜん辞めていないと
聞きました。どういった
活動をしていましたか?
現場でのコミュニケーションを
大事にする
繁忙期の採用ということで、頻繁に職場に足を運びました。日中の方向けへの面接、夜間の方向けへの面接があり、日によっては2回行き、その都度、入られた方への声掛けをしています。
「調子どう?」といったあいさつから世間話、日常会話もします。現場部署のリーダーとも「あの方はどうですか?」といった話して、リーダーと話した内容も踏まえて従業員の方に「よくできているみたいですね」と伝えたりもしました。

特に苦労した事はありますか?
思うようにシフトが組めない繁忙期
滑り出しは良かったですが、時期的な問題で採用が停滞したことがあり苦戦しました。最初は日中にフルタイムで働いていただける方を採用していきましたが、夏以降の中盤から後半がキツくなってきました。
夜間の方だと扶養範囲内で働きたい方、Wワークの方、学生さんといった色んな労働条件に制限がある方がいます。特に10月、11月の大詰めの時期、1週間通しで働けない方がいるのでシフトが歯抜けになります。手薄になる曜日が出てきても応募を頂いた方はその曜日に当てはまらない、パズルのような状態です。
そんなシフトが上手く埋まらない時に、自動車系の大学へアルバイト募集のあいさつに行き、学内での説明会とビラ配りを快諾していただけました。その後、8名の方に応募していただき、ちょうど充足していなかった曜日に入職していただけました。
人数、曜日、時間といったシフトの管理は大変でしたが、管理をしっかりしていくことで現場部署との連携が上手くいき、募集条件も分かりやすくなり、応募者、現場部署、自分それぞれにとって良かったと思います。
扶桑の採用・定着活動を
してきた中で
特にやってよかったと思う
事はありますか?
新しい取り組みが結果につながった
従来のやり方にこだわらず、今回は自動車系の大学への募集を行いました。そういった発想自体もそうですし、ポスターを張らせていただくだけではなく、説明会を企画するなど初めての取り組みができました。
車好きな若い方々なので、入職して「色々な部品を取り扱えたことが結果的に楽しかった」と言っていただけて良かったです。安全を守るルールや品質を保つ手順が決まっているので働きやすかったという意見もいただきました。飲食店などでのアルバイトのように上司や先輩によって言う事が違ったりしないのがありがたかったそうです。
今年は女性の割合が例年より高かったですが、何かあればすぐに聞ける環境があったので女性でも働きやすかったとも聞いています。
現場側では、見学や面接があれば必ずと言っていいほど課長が直接あいさつをするのも良い取り組みです。
扶桑事業所の取り組みはいかがでしたでしょうか?
好評を得られた背景には現場課長、リーダーからのメリハリを付けたコミュニケーションとそのための現場作り、組織体制整備がありました。
採用側も従業員さんを入れて終わりではなく入社後のコミュニケーションにも注力されていました。 今後も、全国の事業所での良い取り組みをどんどんご紹介していきます。